こんにちは。
今僕はおかんとアパートに暮らしていておかんが世帯主です。
おかんは介護の仕事をしていて勤務体系がシフト制です。
なので、僕が平日働いているのに対しておかんは土日関係なく日勤で働く日もあれば夜勤で働いていることもあります。
一応家にお金入れていて最近はお金にめちゃくちゃ困っているという状況ではないんですが、おかんは自分が倒れたりでもしたら終わりだと思ってるようで頑張って働いています。
おかんはすごいです。自分の家族のために体が怠い日も仕事で嫌なことがあった日も働き続けて、働き続けてこれからも働き続ける。
今までいろいろ大変で辛い思いをしてきたであろうおかんには今後幸せになって欲しいです。
さて話は変わりまして、僕はあるスポーツ選手にとても似ていると何人かに言われたことがあります。
それもあって芸能人にそっくりな人がいっぱい登場する某番組に応募しようと思いました。
応募方法は自分の顔だの全身だのを動画で撮影してメールで送るという簡単なものでした。(実際は被写体や撮影者の動きについてもう少し細かい指定がありました)
簡単なんですけど、撮影方法的に自撮りでは難しい。誰か自分を撮ってくれる人が必要でした。
友達はいないのでおかんに頼むことに。
おかんを呼んでこれこれこういう感じで俺を撮ってくれとスマホを渡しました。
しかしおかん、いまいち何をどうすればいいかわかっていない様子。
試しに撮ってみた動画を見返してみるも全然うまく撮れていない。機械音痴も相まっておかんの声が入っていたり途中で動画が終わっていたりなんかカオス状態。
言葉で説明しても伝わらないと思った僕は役割を交代しようと伝えました。実際にどんな感じで撮るかの動画を見せたほうが早いと思ったんです。
そんな感じでおかんに被写体になってもらって僕が撮影しました。その後、こんな感じで撮ってくれと動画を見せると、おかんが一言。
「うわ、私ってこんな老けとるの」
おかん、かなり驚いた様子。
「しわがすごいし、なんか顔が暗い。影が多い。こんなんなの?」
おかんにお世辞を言う必要もなくありのままに返します。
「うん、見たまんまそれやお」
「え、でも鏡で見るのと全然違う」
「鏡とカメラでは全然見え方違うんやよ。鏡は無意識に自分を綺麗に見せようと顔を作るんやって。俺もそれで自分映った画像見て何度絶望したことか」
おかんは深く溜息をついて、あーともうーとも何とも言えない溜息交じりな悲しそうな声を発していました。
何か面白くなってきて更に僕は付け足しました。
「やから人から見えてる顔は鏡よりカメラで撮ったもののほうが近いらしいよ」
おかん、絶望。
ずーっと鏡の前で自分の顔を確認するおかんに一言言ってやりました。
「どうせなら現実に近いカメラで自分の顔撮ってみたら?」
「どうやってやんの?」
「スマホ貸してみ」
おかんのスマホを借り、内カメラになるようにしてスマホを渡しました。
スマホを受け取ったおかんはすかさず自分の顔を真剣に確認し始めます。
「そのまま写真も撮れるよ」
そう言うとおかんはパシャパシャと自分の顔を撮影し始めました。
50も半ばのおかん、この歳にして自撮りを覚える
まあもう勝手にやっといてくれと思い放置していたらおかんが一言。
「なんかさっき見たのより全然顔きれいなんやけど!」
ちょっと希望を見出したようなおかん。
とりあえずスマホを確認してみると、補正がかかる設定になっていたようです。
「ああ、これ加工かかる設定になっとるわ」
「加工って?」
「普通より綺麗に見えるようになっとる」
いまいちはてななおかんに加工がかからないように設定を変えて渡してあげると、おかんの顔は元の溜息まじりな絶望顔に戻っていきました。
「はあ~こんなに私って老けとるの」
その日のおかんは溜息と自分の顔の年寄っぷりに対する不満とでもう止まりませんでしたが、しつこすぎて途中から返事をするのも面倒くさくなってしまいました。
加齢を楽しめ。